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ディープなミナミで秋の贅。 西心斎橋【かなつか】

1号です。

すごい店に出会ってしまいました。

今や若者でひしめく西心斎橋。
風俗店や漫画喫茶など、色ものテナントばかりの雑居ビルの上にその名店はありました。
和食『懐 かなつか』。
メディアにも滅多に露出されない、知る人ぞ知る隠れ家。
ネットで検索してもほとんど出てきません。

この日は、1号の前職の会社社長との久々のディナー。
実に食通な社長で、毎度とっておきの隠れ家を紹介してくださいます。

中に入ると、いたって普通のカウンターメインの居酒屋さんといった雰囲気。
それもそこそこ年季の入った・・・
そして愛嬌のある接客担当のお母さんと、対照的に寡黙で黙々と調理に勤しむ大将。
うん、よくある光景。

しかし!
カウンターにずらりと並ぶ旬の料理の数々や、無造作に置かれた野菜などの食材、
そしてメニューのラインナップを見れば、そこがタダモノではないことがすぐにわかります。

1号の目の前には、珍しい殻つきの茹で落花生や、炙って焦げ目が美しい明太子、
アジの南蛮漬け、艶々のサバの煮付け、小芋の煮っころがし、丹波黒の枝豆、旬のお野菜たち
・・・
ブランドショップのショーウィンドーなんて比にならない、そそり立てられる絶景。

そして何より、寡黙な大将の無駄のない華麗な仕事ぶり。
思わず魅入ってしまうような、鮮やかな動き。もはや芸術の域。

よく見ると、常連とおぼしき客層も、とても折り目正しい年配の品の良い方ばかり。
教育関係や会社トップのお客が多いというのもうなずけます。

長年の常連である社長のオーダー方式は、注文せずとも勝手に出てくる形で。
全てお任せ。あうんの呼吸で、気持ちにどんぴしゃな料理が出てくると言います。

まずはビールで乾杯。
そして、ふっくら大粒の黒豆の枝豆がつきだしに。
そのゆで加減、塩加減、パーフェクト。

そして、
しばらくして出てきた、美しき八寸。(写メしかないのが悔しい!)
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白子ポン酢、大粒のゆで栗とアン肝、鰆の西京焼、海老しんじょう、とこぶし、ふっくらがんもどきと高野豆腐。

まさに、秋の贅尽くし。
鰆のふっくら香ばしい焼き加減、アン肝のねっとりした濃厚なうまみ、
じゅわっとしゅんだがんもの優しい味、もう~どれもこれも悩殺される美味しさ。
日本酒を飲まずにはいられない・・・。

そして秋の定番、松茸の土瓶蒸し
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運ばれた先から、幸せな秋の香りが充満しています。
蓋をあけると、大ぶりの松茸以外に、たくさんの鱧や海老が入ってる。
これはもう言葉にならない美味しさ。感嘆して思わず黙り込んでしまうほどです。
こんな素晴らしい出汁加減の土瓶蒸しは初めて。

おなかの加減も程良く満たされたところで、最後にシンプルな天ぷらが登場。
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極厚の蓮根とさつまいも。
そして、おっきくて新鮮なゲソ。
蓮根もさつまいもも、最高に甘くてホクホク、ほんっとうに美味しい!
「今日のこの日この瞬間が一番の食べごろ!」と言える、自然の恵みの美味しさ。
大きなゲソも驚くほど柔らかく、味わい深いことこの上なし。


いやあ、本当にすごかった。
食事中、「おいしい」と「幸せ」を何十回言ったかな・・・。

寡黙な大将の雰囲気も、実に好きです。
感動を超えて、ビックリするくらいの素晴らしき名店。
誘ってくれた社長に感謝です。

そんな社長との出会いは今から8年ほど前。
当時、とてもファーストな食の仕事に矛盾を感じていた1号が、たまたま行ったビジネスセミナーで出会ったことがきっかけ。

社長は当時、基軸であるネットマーケティングビジネスの傍ら、
『日本全国のものづくりに励む、真摯な農家さん・作り手さんを応援したい!』と、
作り手の思いを伝えながら、販路開拓を応援する通販サイトを運営していました。
スローフード、スローライフ。
今でこそ聞きなれたそんな言葉がまだ一般的でなかった時代に、それを提唱した斬新なサイトでした。
これは絶対にくる。直感的にそう思ったことを覚えています。

現在では流行りのように、似たコンセプトの通販も山ほどあります。
ですが、当時はネットも今ほど一般的ではなく、それこそ時代を先取りしていたのです。

そのコンセプト、社長の思いに心から賛同し、転職。
とにかく手探りで、生産者さんとのネットワークを作り上げるためにアレコレと活動しましたねえ。
ひたすらの直接アポ取りから、生産者さん取材訪問、交流ツールとしてフリーペーパーを発行したり・・・。
その後、様々なビジネス環境の変化からやむなくサイトは閉鎖。同時に1号も現職へと転職しました。

今でも、1号が本当にやりたいことはその時から一切変わっていません。
「真摯な作り手さんの思いを伝える仕事がしたい。」
今まさに2号とともに着々と創り上げている、1号の夢の原点を培ってくれた、とても大きな経験です。

思えば、2号と初めて出会い意気投合したきっかけもこれがあったから。

何よりも、社長との出会いがあったからこそ今が在ります。
辞めてから何年も経つ今でも、とても仲良し。
いつも応援してくださる本当に心強い存在です。

今はこうして、また違った形で関わりを持ちながら、いつか共に新しいワクワクするような取り組みができたら!
会うたびに、そんな前向きで発展的な話ができるのが嬉しい。

改めて、人とのご縁の不思議さとありがたみを実感する夜。
ひとつひとつに感謝し、大切にしたいと思います。

すごい店との出会いにも感謝!
今度は2号をつれてこなくちゃ~。

<懐 かなつか>
TEL06-6213-3886

by vegebaka | 2010-10-18 01:39 | レストラン(大阪)
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